ごあいさつ
現在、ソフトウェア技術は、家電製品から自動車産業、 金融システム、さらには、航空管制システムに至るまで社会・ 産業の基幹システムにおいて広く用いられており、 国民生活を支える社会インフラの基盤となっています。 このような中で、我が国の国際競争力に直結する深刻な問題として、 ソフトウェア分野における人材が質・量ともに不足しているとの指摘がなされています。
このような深刻な問題を解決するために、文部科学省は、「先導的ITスペシャリスト育成推進プログラム」を平成18年度から開始しました。これは、大学間および産学の壁を越えてポテンシャルを集結し、教育内容・体制を強化することにより、企業等において先導的役割を担う人材を育成する教育的拠点の形成を支援するものです。
このプログラムの一環として、ソフトウェア工学の分野において高度な研究を進めている関西圏の9大学情報系研究科と、最先端のソフトウェア構築技術を有する民間企業4社は、「高度なソフトウェア技術者育成と実プロジェクト教材開発を実現する融合連携専攻の形成(IT Spiral)」を推進します。IT Spiralでは、9大学情報系研究科に分散している卓越した専門家群の力を結集し、融合連携型の専攻を構築していきます。また、実践的教育を重視する観点から、高度な技術力を有する民間企業4社と協働することにより、現実の開発プロジェクトを教材とした教育を実現していきます。
IT Spiralによって、大規模かつ強力な大学間連携、産学連携による教育プログラムの可能性を追求しつつ、世界最高水準のソフトウェア技術者として求められる専門的スキルを有するとともに、社会情勢の変化等に先見性をもって柔軟に対処できる能力を養成することを目指します。このプロジェクトにより輩出される高度な情報通信分野の人材が、21世紀の高度情報化社会を真に豊かにすることに貢献できることを祈念しております。
取組代表者
今瀬 真
大阪大学大学院
情報科学研究科長